ちなみにサイト管理人は，この記事で登場するコメント発信者のうちの一人です。

　

「自国飛行士を起用…米国の思惑？」という見出しもあるが。

船外活動によるスペースシャトルの機体修復の作業で，一躍クローズアップされた日本人宇宙飛行士の野口聡一さん。シャトルの耐熱タイルを宇宙空間で修復するという人類初の試みは，今回は想定外の作業ということで，左利き用の道具がなかったということで修復のアシストに回ったことが，利き手にシビアな人の間で物議を醸すネタであるようです。

ちなみに，今回の記事は，コメント発信者の中でも，今回の話題でテレビでもコメントされている大同工業大学沢岡昭学長のものが記事の頭と〆を括っていて，宇宙関係の専門家からの意見がいろいろと述べられています。そのなかで，左利きの野口さんではなく，右利きのアメリカ人であるロビンソン飛行士が作業にあたった最大の理由は・・・「NASAとしては，歴史に名を残す宇宙飛行士は，外国人ではなく，アメリカ人がいいと考えたのだろう。さらに責任問題もある。万が一事故が起きた時，自国民の失敗なら責任を負えるが，外国人の野口さんには負わせられない。『左利き』は，ちょうど都合のいい理由だったのでは」と記事でコメントされています。

宇宙飛行と聞けば・・・地球は青かったとか・・・生命圏としての地球の美しさを飛行士はコメントしますが，ロケットそのものは軍事技術として大いに利用されるわけで・・・今回の左利きについての話題も，「軍事技術の向上のために左利きは必要か否か」というテーマを掲げるとすれば，むしろ作業者の利き手のことはあまり話題にしなくてもいいことだったのかもしれません。いっぽう，今回の宇宙飛行士の人命を考えれば，初の船外作業を左利きゆえにアシストに回らざるを得なかったことは，残念だと言わざるを得ません。

しかしながら，アメリカで採用された日本人宇宙飛行士が左利きだったことは，大いに注目に値することでしょう。むしろ，今回の話題では，左利きゆえに船外作業でアシストに回されたことよりも，全世界に左利きの存在が，しかも日本人から発せられたことを，オーソドックスに「地上の問題提起」として考えればいいことではないでしょうか？　ほとんどの工具については，野口さん用に左利き向けが用意されていたようですし。

今回は，失礼を承知で，サイト管理人が語ったコメントにかんする範囲の記事を掲載いたします。

　とまれ，サイト管理人のコメントは，３人のなかでも２番目に紹介されています。大同工業大学の沢岡学長は，シャトルの操縦席は利き手の左右を問わない設計であることや，先述したNASAの思惑を語られ，３番目に登場される日本レフティゴルフ協会の大松純氏は「NASAともあろうものが，左利き用の工具を用意してくれなきゃ」「一握りの人しか行かない宇宙より，地上の問題に目を向けてほしい」と，語気を強めておられる様子が記事から感じられます。

記事については，今回の船外作業の話題から，地上における左利きについて展開されていきますが・・・では，記事をそのまま掲載しますので，どうかご一読ください。

<< （前略）・・・宇宙では左利きだからといって不便を感じる場面は少なそうだ。ではひるがえって地上は？
　 「見えざる左手」（三五館）の著者の作家大路直哉氏は「日本人で左利きの人が宇宙に行ったことは感慨深い。左利きの存在が全世界に伝わった」と胸を熱くしたうえで，「地球のほうが，比べものにならないほど不便」と言い切る。

　ワンタッチ社会逆風強まる懸念

　左利き用のはさみ，包丁など道具類は普及し，一見，左利きに優しい社会になったようだが，実際は，逆に住みづらくなっていると指摘する。
　例えば自動改札機。磁気カードは差し込み口が斜めで，左利きでも不便ながら使えたが，ICカード（ＪＲ東日本のスイカなど）を押し当てるタイプが主流になり，確実に使いにくくなった。「なんでもワンタッチの便利な世の中になっているが，ワンタッチだから左でも右でも関係ないだろうという意識が広がることが怖い」と左利きとして警告を発する。　・・・（後略）>>

　

以上の記事を読まれて，どう思われるでしょうか？　もし何かご意見・ご感想がありましたら，拙サイトのBBS（掲示板９へお書き込みください。

　

2005.8.13　サイト管理人・大路直哉

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