タ行／作家・詩人
デヴィッド・ボウイの左利き語り
欧米が日本に先駆けて左利きに寛容であったわけではない！
デヴィッド・ボウイは左利き・・・この話題は，かなり以前からイギリスで出版された本などで知っていました。そういえば，大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』では，ラストシーンでビートたけしが「メリークリスマス！メリークリスマス！ミスターローレンス！」と叫ぶシーンがけっこう印象的ですが，それよりなにより・・・坂本龍一とデビッド・ボウイの抱擁シーンも・・・今となっては「どちらも左利きだったんだなあ」と全然関係ないところから思い出されるわけです。
そういえば，坂本龍一氏も「左腕の夢」とソロアルバムを出してますね。英語でのタイトルは「Left-handed Dream」となっていましたが。
ところで，これまでデヴィッド・ボウイが左利きであることは知っていたのですが，本人の発したコメントについて見かけることはありませんでした。が，ふとした思いつきから「Yahoo! UK」で検索してみたところ・・・あったんです。しかも2002年のインタビューでした。イギリスでは有名な音楽雑誌「Roring Stone」のウェブサイトに掲載されていたものです。
そのインタビューの主旨は「Heathen（異教徒）」という新しいアルバムについての話題でしたが，そのなかで，ボウイ自身が自身の左利きについて語っているところがあります。スペースや著作権の関係上，その一部を要約的に紹介します。
「（前略）・・・左手で絵を描いたり字を書くと，まわりの連中が『おぉー、こいつは悪魔だ！』っていう感じで私をからかったのを，いまでもはっきりと覚えている」
「（前略）・・・教師は右利きにさせようと試みては私の手をひっぱたいたものだよ。そう，かつてはイギリスでも左利きは忌まわしいものだとされていたんだ」
ちなみにデヴィッドボウイは1947年生まれ。日本でいえば戦後の昭和22年に相当するわけですが，そんな戦後世代ともいえるイギリス人ですら，まだまだ左利きに対して厳しい態度で接していたことを証明する発言といえるでしょう。
よくいわれる「欧米では早くから左利きに寛容で，それにくらべて日本は・・・」という言説は，正直いって誤りです。むしろ，一部の動作を除いては，日本のほうが左利きに対して寛容ではなかったか？と思うぐらいです。
以上はさておき，デヴィッドボウイのような，才能があって容姿も抜群で・・・なんていう人ですら，自らの左利きについて苦労談を語る。それだけこだわりの「利き手」だったのだなあと思うと，音楽を聴くうえでもますます応援したくなるのは，勝手な思いこみでしょうか？
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■参考サイト
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